てっちゃんdaily

都内国立大学院理系1年生。留学体験や就職活動に向けた企業研究、株式投資など投稿していきます。

「超」集中法 成功するのは2割を制する人 効率的な仕事や勉強は何をどうするべきなのか

こんにちは。

てっちゃんです。

本記事では

「超」集中法 成功するのは2割を制する人 著者:野口悠紀雄

の書評をします。

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 初めに

さまざま物事にはコアと呼ばれる重要な物事とそこまで重要でない瑣末な物事に分別することができます。

努力をするならそのコアと呼ばれる事象にするべきである。というのが前提となっています。

 

 

全体のうち、コアと呼ばれる部分は2割程度である場合が多く、コアを抑えることによって、おおよそ8割程度の価値が生み出される場合が多いのです。よって、勉強でも仕事でもこのコアを重点的に抑えることにより、短時間で大きな成果を出すことが可能であります。

 

 

しかしながら、このコアに関する考え方はよく知られていましたが、以下の2点に関して答えを提示していないからです。

  1. コアは、どうすれば見出すことができるのか?
  2. コアが変化したとき、どのように対応したらよいか?

この2点に関する解がこの本の目的となります。

 

 

特に私がこの2点に興味がある理由として、自分がやりたいと思うことに対して、1日が24時間しかないため、何かを犠牲にしながら時間を作っていました。

 

 

たとえば、「大学院で研究をする」「英語の勉強をする」「ジムに行って体を動かす」「アルバイトでお金を稼ぐ」「ブログを書く」です。

もちろん時間配分によって並行してすべてを行うことも一つの方法だと思います。

 

 

しかしながら、個別で考えた場合はどうでしょうか?

 

例えばこのようなケースです。

「大学院で1日のうち7時間を研究活動に充てる」

個別で考え、時間による制限を課した後にするべきことは何をどの程度やるかということです。この問題を解決したいというのが私のこの本を読む目的です。

 

2:8の法則

 2:8の法則とは前章でも述べたように2割のコアのことです。そして、この2割のコアを抑えることによって、8割の仕事の能率や価値を生み出すというものです。これはコアを抑えないで行った場合と比較して4倍にまで高めることができるというのがこの本の主張です。

 

 

個人的にはこの4倍という数値は数学的には論理的でしたが、単純な事象を仮定しており、一般的には偽であると思います。

ただ、時間対効果を上げるのは間違いないと思います。

 

 

少し抽象的な言い方をすると、物事は偏りがあることが多く、一般的には努力と成果は一次関数で表わされることは少なく、平方根のような関数(y=√x)で表される場合がほとんどであるのです。

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努力と成果の相関関係(平方根の関数)

もちろん、個々の能力によって、関数の形状はもちろん変わってきますが、おおよそ当てはまるのではないでしょうか?

 

 

たとえば、受験勉強で偏差値を30から40まで上げるのと60から70まで上げるのでは偏差値という観点から見たら同じスケールであるのに必要な勉強時間は同じであることはない、ということです。

 

 

仕事の観点からですと、車の部品についてこの本では書かれていました。

1台の車には多くの部品が使われているのに対して、故障を起こす場合、大部分は使われる部品のうち2割である。ということです。

つまり、車の修理工場の立場から考えるとこの2割の部品を抑えることが仕事におけるコアになります。

 

そして、同じ部品数を在庫として保管できるのであれば、コアの2割の部品をしっかりと抑えた修理工場のほうが、ランダムに部品を在庫として保存した修理工場と比較して多くの場合に対応できる。ということです。

 

 

コアの見つけ方

仕事の場合

仕事における重要書類と 瑣末書類の分類について書かれています。

 

(ただし、近年は電子化により、紙の書類が減ってきているため、あまり私には参考になりませんでした。よって、割愛します。)

 

また、電子ファイルの場合はコアを見つけるために行うべきことは、整理ではなく、検索を用いることです。

著者の主張は、ファイルを内容別に整理するとこは、コアを見つけるためには不要であることが多いため、時間順に格納し、検索で探し出す方が効率です。

 

 

私の意見として、仕事におけるコアは一般化することは困難であるので、解はないように感じる。ただし、1日にやるべき仕事を10個書き出してみると、重要な仕事と瑣末な仕事に分けられ、取捨選択をすることで効率的な仕事を可能にすることが可能になると思います。

 

 

日本の大企業が2008年のリーマンショックから失われた10年といわれる所以もバブル期のように何をやってもうまく行ったビジネスモデルから、選択と集中をせざるを得ない現代に対応できてないことが日本企業の世界的競争力の衰退につながっているとも書かれていました。つまり、これはこの本の目的の2つ目の解である「コアが変化した場合にどのように対応すればよいのか」になります。

 

勉強の場合

 勉強の場合にもこの集中法が有効です。

特に筆者も受験を経験した人間ですので、本書に書かれていた情報は非常に有用なものでした。

 

まず、できる学生とできない学生の違いとはどのような点であるのか。

これはまさしくコアを要領よく抑えることのできる学生か、そうでないかです。

 

例えば、同じ時間の制限をかけた場合に、このコアを抑える勉強法は有効になります。

つまり、短時間で高得点を取るための勉強法です。

 

もちろん100点を目指すのであれば、時間制限は100点を取るために必要なだけかける必要がありますが、8割の成果であれば、2割の試験範囲をマスターすることで達成可能なラインである。ということです。

 

このコアの抑え方も書かれています。

3点書かれていました。このうち2点は参考になるものでしたが、3点目に関しては私にはわかりませんでした。

 

1,過去問からコアを探す。

これは ほとんどの学生がすでにやっていることと思います。

試験範囲のコアを見つけるには非常に有用な方法です。

例えば3年間毎年出題されている問題と、5年間で1度出題された問題では、どちらの問題が重要であるかは火を見るより明らかです。

 

ほとんどの学生が時間がない!どうしよう!過去問だけやって何とかしよう。

 

これは、案外的を射た勉強法であります。

 

また、受験勉強でも受験する大学の過去問は解く学生がほとんどだと思います。理由は同じですね。傾向をつかむ。つまり、出題者(大学側)の重要問題を明らかにすることで重要コアを見出すことにほかなりません。

 

2,入門教科書でコアを知る。

これも私が実際に行った勉強法の一つです。

大学の専門書とは、非常に分かりにくいもので、情報量を多くすると段々とコアや重要部分が分かりにくくなります。

式が20個も30個も書いてあればどれが重要かはわからなくなっていきますよね。

 

その時に、参考にするべきは入門書の簡単な教材を用いることです。

もちろん入門書であるので、重要項目しか載せられないと思います。そので出た式がまさしく原理のコアとなる場合が多いというのが本書の主張です。

 

あまりこの方法に関して行ったことはなかったので、ぜひ私も実践してみたいですね。

 

3,図書館の本を見てコアを掴む。

この項が私には参考になりませんでした。

本書の著者はアメリカの大学院に通っていた時に図書館の本を見ると、先に借りた人の書き込みやらコメントがあり、コアを見つけるのに役に立ったと主張しています。

 

リーディングアサインメントと呼ばれる欧米の大学では一般的な課題があります。これは次回の授業までに関連した参考文献を読むというもので、とにかく量が多いそうです。

 

これを第二外国語で読むのは非常に大変で、その時に重要な部分を見つけるために、本を下から眺めたようです。

 

下から眺めると、汚れている個所が見つかるらしく、そここそ多くの学生が読んだ場所であり、本のコアに当たるということです。(結構ここは面白かった。)

 

 

日本ではあまり有効ではなさそうですね。

むしろ、あまりに書き込みがあると私は嫌になります。

 

 

ここで少し補足ですが、時間の制限を無くした場合は、コアを抑える勉強が有効であるとは限りません。受験など時間との闘いになる場合は有効ですが、コアを抑えれば勉強しなくてよいなんて考えはやめましょうねww

 

 

コアが変化したときにどのように対応するのか

 ここではコアが変化したときの対応です。まずは大きな会社ごとの傾向を俯瞰してみます。

ここでは、水平分業方式垂直統合生産方式の違いについて述べます。

水平分業方式の例としてAppleを挙げています。Appleファブレスカンパニーです。つまり、製品の設計や開発は自社で行うが、生産は中国など外部委託して行う会社のことです。

日系企業だと、あの超高収益企業キーエンスなどが挙げられます。

 

これらの会社は高付加価値業務に特化しており、これこそコア業務であります。

 

対して垂直統合生産方式は伝統的な日系メーカーになります。つまり、製造過程のすべてを組織内で完結させている場合です。

 

これは時代の変化とともに変わってきた傾向で、どちらが良くて悪いという物ではありません。ただ、現在は垂直統合生産方式に対して水平分業方式のほうが収益率が高く、柔軟な経営ができる。ということになります。

 

この社会の傾向を掴むため、言い換えるとコアを把握するための方法として、ビックデータを用いた解析をすることでコアの変化を掴むことができます。(この記事では特に重要だとは思わなかったので、省略します。)

 

もちろん、このような大きな事象で仕事をするのは一部の会社経営者のみです。

 

一般的な社員がこの変化するコアに対応するとはどのような場合なのでしょうか。

結論から述べると、グループ内の優秀な人間を見つけ、ノウハウを盗むということです

 

これはどのグループにも成績の優劣や時間管理の上手な人などいると思います。そういう人がどういう風に物事を進めているのか、また、自分と何が異なっているのかを見つけることが重要であります。

 

まとめ

 初めて書評なんでしました。。。

これからも本は読みますし、自分の読んだ本の重要なポイントがこうやってブログに残り、後でこの自分の要約みたいなブログを読んで内容をブラッシュアップするのも結構いいものかもしれませんね。

 

ちなみに本書はこの後もう2章統計学的な解析を織り交ぜたビジネスモデルについても書かれています。

結構面白かったので、もし気になればぜひ読んでみてください。